政治家の基本 2015 5 24

2015年5月11日の産経ニュース電子版には、このようなニュースがあります。

「イランが核武装するなら我々も」 警戒するサウジ
 ウォールストリート・ジャーナルは、
イランが核兵器開発を諦めるとは、サウジは考えていないと指摘。
「イランが(核武装を)するなら、われわれもする」とのサウジ政治家の話を伝えた。
(引用、以上)
 サウジ政治家の話は、実に、当たり前の話です。 
政治家として、まず、やるべきことは、国を守ることです。
誰に何と言われようとも、断固として、国を守る。
それが、政治家の最初の仕事です。
 ところが、日本の政治家は、
国を守ろうとする意欲が全くありません。
 中国が核武装しても、北朝鮮が核武装しても、
ぼんやりと眺めているだけです。
 中東の政治家からすれば、
「それでも政治家か」と言いたくなりますが、
日本の政治家は、「平和ボケ」という不治の病にかかっていますので、
ぼんやりと過ごすだけです。
 よくぞ、ここまで生き延びられたものだと思いますが、
中国や北朝鮮からみれば、日本の後ろにアメリカがいるので、
手出しができなかったというのが、幸運だったのです。
日本は、アメリカによる「核の傘」に守られてきたのです。
 ところが、最近、この「核の傘」が破れかかっています。
今や、中国どころか、北朝鮮の核ミサイルまでも、
アメリカ本土に届くかもしれないと言われるようになってきました。
 こうなると、アメリカによる「核の傘」は、機能しなくなるでしょう。
日本を守るためにアメリカが動いたら、
アメリカ本土に核ミサイルを打ち込まれてしまう。
これでは、アメリカは、躊躇するでしょう。

8800億円の請求書 2014 11 30

書名 アメリカはいつまで超大国でいられるか
著者 加藤 英明  祥伝社新書

 アメリカ人が、著者に、こう尋ねた。
「アメリカが中東の石油を必要としなくなったら、
今は、ペルシャ湾の自由航行を護るために、
第五艦隊を貼り付けているが、撤収することになるね。
年間80億ドル(約8800億円)も、かかっている。
 アメリカが第五艦隊を引き揚げたら、
日本が、その後を引き受けてくれるかね?」
(以上、引用)
 アメリカでは、時々、国防長官の交代がありますが、
誰が次の国防長官になっても、
国防予算をどう削減するかが、重要な仕事です。
 一方、アメリカでは、シェール革命により、
世界最大の「産油国」になることが有力視されています。
 さあ、日本は、どうする。
海上自衛隊の大艦隊をペルシャ湾に駐留させるのか。
それとも、毎年、必要経費をアメリカに支払うのか。
 もちろん、サウジアラビアも、
アメリカが第五艦隊を引き揚げたら、大いに困ることになるでしょう。
 なにしろ、ペルシャ湾を挟んで、
中東の軍事大国であるイランと対立しているからです。
サウジアラビアは、人口が少ないので、
どう頑張っても、軍事大国になることはできません。
 もちろん、ひとつだけ方法があります。
核兵器を開発しているイランと同じように、
サウジアラビアも、核兵器を開発するか買うという方法があります。
 ただし、核兵器を開発するにしても、買うにしても、
ハードルが高いものとなります。
 そうなると、サウジアラビアと日本は、
ペルシャ湾をめぐって、お互いに軍事同盟を必要とする国になりますか。
 アメリカは、シェール革命がなくても、
「あんな危険なところから引き揚げたい」というのが深層心理でしょう。
 アメリカは、キリスト教国です。
聖書の最終章には、恐ろしいことが書いてあります。
どう読んでも、人類にとって「最終的な戦争」は中東で起こると読めます。
こうした聖書を子供の頃から読み聞かされてきたアメリカ人にとっては、
中東の石油を必要としなくなったら、早く引き揚げたい気分でしょう。
 Lexus-A時代を、日本は、どう生き残るのか。
「Lexus-A」とは、 東京大学准教授の池内恵氏が作った言葉です。
 これは、「League of Ex US Allies」の略であり、
日本語では、「元アメリカ同盟国連盟」だそうです。
サウジアラビア、トルコ、イスラエル、日本、さらに英国がメンバーらしい。
 おそらく、アメリカ本土が攻撃されない限り、
アメリカは動かないと考えておくべきでしょう。
それが、同盟国の、いや元同盟国の心得でしょう。



















































































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